Long Good-Bye
昨日、「探偵物語」や「あぶない刑事」を生み出したことで知られる株式会社セントラル・アーツ代表取締役の黒澤満さんがお亡くなりになりました。
若輩者の私が「あぶない刑事」という作品が「さらば あぶない刑事」という新作映画をもってリアルタイムで新たに動き、真に完結する瞬間を目の当たりにできたこと。
それは間違いなく、このお方のおかげでした。
もしも私が前作「まだまだあぶない刑事」をしっかりとリアルタイム記憶し、それで完結と言われていたのならば、間違いなく腑に落ちなかったと思います。
その言葉を翻し、あぶない刑事という物語に本当の結末を作るという決断は英断であったといえるし、"10年ぶりにこんにちはで、サラバだぜ。"と現れた「さらばあぶない刑事」の結末は、あぶない刑事という作品の30年にしっかりとピリオドを打つカット(諸々の事情で薫に八つ当たりの如く追いかけられたタカとユージが逃げ走って、ジャンプで止まる)で〆られていたことを、今でも覚えています。
公開が決定した当初の映画.comのインタビューで黒澤さんは「2人も元気でまだまだできると革新した。本当の最後を作ってみよう」というコメントを残していました。
ピースが欠けないうちに全てをやりきったこと。あぶない刑事という作品は、それを完全に成し遂げられることができた幸せな作品だとおもいます。
しかし、そのピースが欠ける瞬間を感じるには少し早過ぎた気がします。
私はきっとどこかでふらりと見た映画に、「製作総指揮・黒澤満」の名を見つけておっ、と思える日が来るのではないかと思っていた、多分、そうだと思います…。
黒澤満さんのご冥福を、心からお祈り致します。
蛇足:何も平成の終わりだからって、誰も彼も鬼籍に入れなくていいだろうに。今年に入って、何度思ったことか。