御景雑記

雑多に色々書いているだけのブログ。

今度は自発的に同人誌のレビューをしてみることにする

前回の記事以降、本当に推しがかつてやっていたブログ*1と同じぐらいの更新頻度になっていて正直笑っている自分がいます。Mikageです。

 

2022年も残り1ヶ月半を切り、皆様いかがお過ごしでしょうか。「御景雑記」今年最初の更新は約2年ぶりの同人誌レビューです。

 

sasamatsu.booth.pm今回レビューする本は前回禊レビューさせて頂いた笹松しいたけ先生(以後、笹松先生)の著書なのですが、見ての通り評論本。今回は私のフォロワーであるじあぜん氏*2のご厚意で頂き物という形で手にすることとなりました。夏コミの後すぐにお会いできるかなと思ったのですが、なんと私自身が某流行病を貰ってしまい、色々あって実際に引き渡されたのは10月の頭のことでした。

 

そんな経緯を経て私の手元に渡ったこの本ですが、この本は読んで字の如し笹松先生が実際に「個人間の精子提供者」として活動された際の出来事をまとめたものになります。正直な話、私にとっては色々と縁のない話なのですが、こういった『自分とは違った人生のルート』を過ごしている方のお話が読める、というのも同人誌の面白さなのかもしれないと思いました。

 

前置きはこのぐらいにして、本題に入っていきます。

 

そもそも笹松先生が「精子提供」という概念を知ったのは下に貼った本*3のアイデアとしてテレビで見たことがきっかけで、その当初は創作のネタとしての認識だったそうです。

sasamatsu.booth.pm

創作でいくら幸せな結末を書こうがなんだろうが、現実に目を向けると、子供を残すことの難しさというのは嫌でも痛感させられるものです。そもそも結婚できるのかとか、収入や時間とか、それだけじゃない様々な要因に加えて、更に2020年からは某流行病が襲ってきます。それが更なる焦りを生むことは想像に難くないと思います。

 

しかし世の中には確かに子供を後世に残すべく不妊治療を受け、その中のオプションとして個人間精子提供という選択肢を取る人々がいるという事実をこの本は突きつけてきます。

 

笹松先生はその現状に自ら身を投じて、実際に精子提供マッチングサイトに登録して…というのがこの本の始まりです。

 

この本のすごいところは(失礼な表現ではありますが)笹松先生の行動力もありますが、個人間精子提供の生々しいまでのリアルが伝わってくるところにあります。正直自分のスペックも関わってくる話なので、『興味半分や面白半分でできることではない』と前もって書いておきます。でもそういった人でも『こういう世界がある』という気付きを与えてくれるので読んで損は無いと思います。中でもこれだけは読んで欲しいと思うエリアは1つあるのですが、そこだけを面白半分で読まれると悩ましいと感じたのであえて書きません。というかそこが皆さん一番読みたい部分だと思いますので。

 

正直私は自分がそういった行動、行為ができるスペックを持っていたとしてもやりたくないと感じています。その理由もこの本にはしっかり記載されています。そこも含めて、私は1つの世界の境目を見ている気分になりました。光とは到底言い切れないし、闇とも到底言い切れない世界。改めて人生の使い方を考えさせられる一冊でした。

 

この本はあくまでも笹松先生が見られた視点でのお話ですが、笹松先生の身には想像を絶するような現実が襲い続けたことだったと思います。それに耐えつつ、一冊の本にして世の中に送り出して頂いたことに感謝しつつ今回のレビューを締めたいと思います。私が声を大にして言いたいのは、少しでも興味のある方は是非ご自分の目でこの本に目を通して頂きたい、ということです。お手元に置くのが少々怖い、という方は電子版もあるのでそちらからどうぞ。

*1:2020年12月25日閉鎖。

*2:前回の禊レビューの際にも登場されたちな鷹の方。

*3:これも私の手元にあるのですが、まだ読めていません…。